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何か面白いことないかな

大分県中津市で見つけた歴史資料館 村上医家史料館

昨年より大分県中津市の古文書の紹介をしてきました。
そろそろ辞め時だと感じましたので、今月いっぱいで終えようと思います。

今回は大分県中津市の村上医家史料館について紹介いたします。

目次

大分県中津市ってどこ?

福岡県と大分県の県境です。
江戸時代末期には蘭学の街として栄え、歴史の教科書に掲載される『解体新書(初版本)』が展示されている町です。
今は「中津からあげ」と鱧が有名な街です。

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(画像引用元:中津市へのアクセス | 大分県中津市



『解体新書(1774年)』の翻訳者、前野良沢の所属が豊前国中津藩(現在の大分県中津市)なので、そのゆかりで『解体新書(初版本)』が中津市に展示されています。


大分空港から車で1時間半ほどの場所です。

村上医家史料館とは?

村上医家は、初代宗伯が寛永17年(1640)諸町に医院を開業以来、現在に至るまで医家として継続し、数千点におよぶ医学関係やその他の資料が残されています。
https://www.instagram.com/p/5hX5_2IcIR/

1640年から現在まで続く村上医家の所蔵品とその建物を元に、村上医家の史料及び人体解剖に至るまでの医学の流れを中心に3000点の医学史料*1が展示されています。

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(写真引用元:日田中津往還路 伍 | スポともGC通信

この村上家について、主に3名が取り上げられることが多くなっています。

  • 初代:村上宗伯
  • 7代目:村上玄水 1819(文政2)年に九州で初めて人体解剖を行った人です。
  • 9代目:村上田長 明治9年に、大分県最初の本格的新聞「田舎新聞」を創設したり、大分中学校(後の上野丘高校)校長や玖珠郡長(大分県豊後国の郡)を務めたり、様々なことをした人です。

主な展示物

『人身連骨眞形図 』1741(寛保1)年

日本で最初の人骨図です。
根来東叔(ねごろとうしゅく)が1732年に火刑にされた2人の男性の遺骨を研究し、写生しました。

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村上医家資料館展示品『人身連骨眞形図之右』(1741)
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村上医家資料館展示品『人身連骨眞形図之左』(1741)

前野良沢の書 1805年頃

『解体新書(1774年)』の翻訳者の前野良沢の晩年、70歳近くの時に書かれた書物です。
書かれている字の通り「長寿」だったようです。

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村上医家資料館展示品 前野良沢の書

蘭語訳撰(複製)』1810年

日本初のオランダ語-日本語辞書です。
日本初の和蘭辞典です。オランダ語の単語、7072語収録されているそうです。中津のお殿様 奥平昌高が作者です。
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「『解体新書(1744)』を作るときに辞書が無くて大変だった」と前野良沢(1723〜1803)の苦労話を耳にしていたようで、辞書を作りました。
本物は中津市図書館が管理していますが、イベントがあれば展示されるようです。

高野長英が隠れた蔵

長崎シーボルト事件で逃走中の高野長英が、この村上医家史料館に潜伏したそうです。
この蔵の中に、蘭学関係を始めとする様々な古文書が展示されています。緒方洪庵の「虎狼痢治準(ころりちじゅん)」や中津藩出身の外科医・軍医、田代基徳の資料があります。
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うろ覚えなのですが施設の職員さん曰く、高野長英大分県日田市や、山口県上関等に逃亡したと言われているそうです。


その他

中津市内の耶馬渓(やばけい)が日本遺産に認定され他ので、玖珠郡長となって耶馬渓道路を開鑿した村上家田長の旧宅として関係資料も展示されています。
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(写真:大分県最初の本格的新聞「田舎新聞」)

明治の診療の値段表です。
一等の診療に難産手術が入っているようです。
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古い薬瓶が並べられています。よくよく探すと武田長兵衛商店(現:武田薬品工業)等の有名製薬会社の薬瓶が見られます。
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磨積圓(ましゃくえん)
3代目玄水が創薬し、江戸〜昭和まで使われていた村上家の家伝薬です。この薬を服用したことがあるご近所の年配者曰く、苦い味だったそうです。
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その他、薬箱、らんびき等が展示されています。

村上医家資料館の場所

村上医家史料館:〒871-0049大分県中津市諸町1780
TEL 0979-23-5120
◆開館:9:00~17:00(入場は16:30まで)
◆休館:火曜日(祝日の場合は翌日)
◆観覧料:一般210円、大学・高校生100円
       中学生以下は無料
 (2館共通観覧券あり:一般300円、大学・高校生150円)


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村上医家資料館・大江医家資料館 共通パンフレット


まとめ

大分県中津市の村上医家史料館は、中津で古くから続く村上家の旧宅を利用して開館した史料館です。
初代・村上宗伯が寛永17年(1640)に諸町に医院を開業して以来、現在まで続く医家です。
『人身連骨眞形図 』や前野良沢の書、高野長英が隠れた蔵、緒方洪庵の「虎狼痢治準(ころりちじゅん)」や中津藩出身の外科医・軍医、田代基徳の資料等、様々な医学に関連する歴史資料が展示されています。
中津市を観光される際は、ぜひお立ち寄りください。


町歩きの地図

中津駅にパンフレット「まちあるきのすすめ」が置かれていました。
参考にしていただけたらと思います。


観光される方は「るるぶ」もあります。

2016 るるぶ特別編 中津・耶馬渓
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(出典:2017るるぶ特別編集中津・耶馬渓が完成! | 大分県中津市


大分県中津市に1年ほど仮住まいしていました。蘭学関係の古文書が数多く置かれているので「中身はどのようなものか」と気になり、興味本位で調べています。関係者ではありません。

関連書物

シーボルト事件と高野長英が出てきます

風雲児たち (14) (SPコミックス)

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