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何か面白いことないかな

大分県中津市で見つけた歴史資料館 小幡記念図書館

昨年より大分県中津市の古文書の紹介をしてきました。
そろそろ辞め時だと感じましたので、今月いっぱいで終えようと思います。



今回は大分県中津市の図書館について紹介いたします。

目次

大分県中津市ってどこ?

福岡県と大分県の県境です。
江戸時代末期には蘭学の街として栄え、歴史の教科書に掲載される『解体新書(初版本)』が展示されている町です。
今は「中津からあげ」と鱧が有名な街です。

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(画像引用元:中津市へのアクセス | 大分県中津市



『解体新書(1774年)』の翻訳者、前野良沢の所属が豊前国中津藩(現在の大分県中津市)なので、そのゆかりで『解体新書(初版本)』が中津市に展示されています。


大分空港から車で1時間半ほどの場所です。


小幡記念図書館について

建物、名前、歴史について

小幡記念図書館は、中津城の近くにある図書館です。
大分県中津市出身の小幡篤次郎の遺言によって誕生した図書館なので「小幡記念図書館」と名前がついています。
明治42年(1909年)に開館し、100年以上の歴史がある図書館だそうです。現在の図書館は、平成5年に新しく建てかえられた建物で、「公共建築百選」建設大臣賞も受賞したそうです。
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今の図書館の場所は、江戸時代に遡ると中津(奥平)藩校の進脩館だったようです。
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図書館の歴史
小幡篤次郎の遺言によって、生誕地である殿町(現在の歴史民俗資料館)の340 坪の土地と家屋・蔵書が寄贈され、「中津図書館」として明治42 年(1909 年)に開館したことに始まります。
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明治42年(1909年)小幡篤次郎の遺志によって「中津図書館」が誕生しました。
明治45年(1912年)に「小幡記念図書館」に改称しました。
昭和22年(1947年)には中津市に寄付され、「中津市立小幡記念図書館」になりました。
平成5年(1993年)に現在の場所に新築移転し、平成17年(2005年)の市町村合併を経て三光・本耶馬渓耶馬溪・山国の図書館4館を加えた中津市立図書館がスタートしました。*2

小幡篤次郎って誰?

小幡篤次郎は中津藩の武士の家に生まれ、福沢諭吉の右腕となり、慶応義塾の塾長も務めた人物です。有名な『学問のすすめ』を福沢諭吉とともに著しています。
郷中津の学問の推進発展につとめ、没後はその遺志により自宅と蔵書の半分が寄贈され(もう半分は慶應義塾大学へ寄贈)、小幡記念図書館が設立されました。この時の蔵書は小幡文庫と呼ばれています。




余談ですが、東京の慶應義塾大学三田キャンパスの食堂・ラウンジ「社中交歡 萬來舍(しゃちゅうこうかん ばんらいしゃ)」に、小幡篤次郎の「萬來舎之記」が額に入って飾られています。
※食堂・ラウンジ社中交歡 萬來舍.....慶應義塾大学の教員・卒業生もしくはその同伴者が入ることができる食堂・ラウンジ
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小幡文庫

先に記載した通り、蔵書の半分が寄贈されましたが、2009年の特別展で展示されたそうです。
以下は数年前に特別展が開かれた際の写真です。どのようなタイトルかは判別できません。

以下は特別展の様子です。
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2009年に行われた100周年記念特別展のチラシです。
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展示物

展示コーナーに小幡篤次郎関連の古書が展示されています。
福澤諭吉も発刊に携わった古書『洋兵明鑑』も展示されています。

『傭兵名鑑』:この本の翻訳出版によって、慶應義塾大学の校舎建設費用を賄いました
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ウェーランドの『英氏経済論』:上野戦争の緊張の最中、慶應義塾大学で講義が執り行われた際に論じられていた教材です。その時のことは今も誇りとしているようです
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『天変地異』
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『博物新編補遺』
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『弥児氏宗教三論(草稿)』ジョン・スチュアート・ミルの翻訳本です。
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私が中津に住んでいた当時、試しに借りてみました。墨の臭いがいたしました。
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近隣の建物

中津市立南部小学校(中津市学校)

『学問のすゝめ』が出来たきっかけになった学校の跡地です。
中津市学校は、福澤諭吉の意見で中津藩主 奥平昌邁が家禄の1/5を拠出し、英語を中心に教えていました。当時、九州には長崎の他に英書を教えるところはなく、慶應義塾の分校ともいわれていました。中津市学校は当時の最先端であり、西日本一の英語学校(慶應義塾の姉妹校)だったそうです。
この中津市学校の教材として『学問のすゝめ』を作ったようです。


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中津市学校(現南部小学校)の校門「生田門」)


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(生田門近くの看板)
 

中津市歴史資料館

小幡篤次郎の生家です。この場所から図書館が始まったそうです。



小幡記念図書館の場所

開館時間 午前9時00分
閉館時間 午後7時00分

休館日は公式ページよりご確認ください
中津市立図書館



まとめ

大分県中津市の小幡記念図書館は、中津城の近くにある図書館です。
大分県中津市出身の小幡篤次郎の遺言によって誕生した図書館なので、「小幡記念図書館」と名前がついています。小幡篤次郎は『学問のすすめ』を福沢諭吉とともに著した人です。図書館に小幡篤次郎の古文書学が幾つか展示されていますので、お時間のある方はどうぞお立ち寄り下さい。



大分県中津市に仮住まいしていました。蘭学関係の古文書が数多く置かれているので「中身はどのようなものか」と気になり、興味本位で調べています。関係者ではありません。

*1:中津市立小幡記念図書館

*2:中津市立小幡記念図書館「図書館だより 2018年 8月号」