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何か面白いことないかな

有毒植物⑦ アサガオ(有毒部位:種)

「少し遅いかな?」と思いつつ、そろそろ朝顔の種まきをしようと思っていたところ、ふと朝顔も有毒植物だと思いだしました。


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(画像引用元:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B5%E3%82%AC%E3%82%AA

そのような経緯で、今回はアサガオについて紹介しようと思います。


目次

アサガオとは?

ヒルガオ科サツマイモ属の一年草です。
日本で最も発達した園芸植物で、古典園芸植物の一つでもあるそうです。



原産は熱帯アジア、ヒマラヤ山麓だそうです。
https://www.naro.affrc.go.jp/nics/mihonen/files/CROP25.gif
(画像引用元:作物研究所:作物見本園 シカクマメ | 農研機構

アサガオが日本に伝来されたのが、奈良時代末期に遣唐使アサガオの種子を薬として持ち帰ったのが初めてだとされます。

遣唐使が初めてその種を持ち帰ったのは、奈良時代末期ではなく、平安時代だったとする説もあるようです。


とりあえず、古い時代からあったようです。

毒性:ファルビチン、コンボルブリン(種子)

毒部位: 種子
毒成分: ファルビチン、コンボルブリン
毒症状:嘔吐、下痢、腹痛、血圧低下


アサガオの種子です。

生薬「牽牛子(けんごし)」

アサガオの種の芽になる部分には下剤の作用がある成分がたくさん含まれ、漢名では「牽牛子(けんごし)」と呼ばれ、奈良時代平安時代には薬用植物として扱われていました。
江戸中期に編纂された百科事典『和漢三才図会』にはアサガオ4品種が紹介されているそうです。


(写真:大江医家資料館展示品「和漢三才図会』)


この牽牛子(けんごし)は、厚生労働大臣が定め公示する、医薬品の規格基準書「日本薬局方」にも収録されているそうです。

使い方ですが、粉末にして下剤や利尿剤として薬用にします。煎液にしても効かないそうです。種子は煮ても焼いても炒っても効能があるものの毒性が強く、素人判断による服用は薦められないようです。*1


牽牛子は峻下剤(シュンゲザイ:激しい下剤)であり、のんで比較的すぐに効きます。
また、他の作用も、早く出ます。少量だと通便作用ですが、多量だと水のような下痢となり、利尿作用しかも強力な作用もあり、その他、腹痛など多くの副作用がありますので危険だそうです*2


アサガオ(牽牛子)が含まれる薬

今回2種類の薬を紹介いたします。
両方とも便秘薬ですが、それぞれの薬の成分の一部であって、主剤では無いようです。

【指定第2類医薬品】ウエストン・S 310錠

【指定第2類医薬品】ウエストン・S 310錠

1錠中に以下の成分を含む。
センナ末 205mg,ケンゴシ末 20mg,ダイオウ乾燥エキス22mg(大黄78.6mg),カンゾウ乾燥エキス 15mg(甘草  117.2mg),コウボク末 25mg 


【指定第2類医薬品】首より上の薬 1200粒

【指定第2類医薬品】首より上の薬 1200粒

【成分・分量】30粒中
センナ末1000mg、シャクヤク末200mg、ダイオウ末830mg、センキュウ末150mg、ケンゴシ末200mg


漢方薬は、何種類かの生薬を組み合わせています。それは組み合わせることによって、効き目を強化し、副作用を無くす、または減らすことが目的のようです。



朝顔の品種改良

江戸時代2度の朝顔ブーム

江戸時代の2度の朝顔ブームを機に、品種改良が大きく進んで観賞用植物となり、木版の図譜類も多数出版されたそうです。

江戸時代(第1次ブーム):文化・文政期(1804年-1830年

この頃は比較的単純なアサガオを観賞していたようですが、現存するほとんどの変異が出そろっているそうです。
また、比較的濃色の黄色花など、現在では見ることができないアサガオも存在していたそうです。
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(図引用元:アサガオの園芸史

江戸時代(第2次ブーム):嘉永安政期(1848年-1860年

この頃には多くの図譜が出版されているそうです。これらを見ると文化文政期に起こったアサガオの変異を組み合わせた、より複雑で珍奇なアサガオを観賞していたことがわかるそうです。
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(図引用元:アサガオの園芸史




江戸時代、園芸は大名から町人まであらゆる階層に広まった趣味で、特に朝顔は、苗が10文や15文で手に入り、庭先でも手軽に栽培できることから人気の花だったようです。



朝顔づくりがブームになると、やがて八重咲きや花弁が細かく切れたり、反り返ったりして本来の花型から様々に変化した「変化朝顔」が作られました。新しいもの好き、珍奇なもの好きの江戸の人々に支持され、非常に流行したそうです。
特に珍しく美しいものは、オモトや菊などと同様、非常な高値で取り引きされたようです。

朝顔師」という職業が生まれたり、共通の趣味・興味を持つ仲間が集まるクラブの原型「朝顔連」の活動が活発に行われたりして、全国に広まったのです。各地で品評会が開かれ、番付も作られるほどだったそうです*3

このような花売りが売り歩いていたのでしょうか?
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物売りの光景


第2次ブームの嘉永時代の朝顔の図譜「朝顔三十六花撰(あさがおさんじゅうろくかせん)」が以下のリンクより眺めることができます。
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朝顔三十六花撰(嘉永7-1854)


遺伝学の研究材料

世界的に見ても、アサガオほど形態が多種多様に変化した園芸植物は他にないそうです。
殆どの変異は江戸時代に生まれ、変異の著しいものには種子を作る事ができないものもあるそうです。

多様な遺伝子変異を持つアサガオは、早くから遺伝学研究の対象となり、遺伝子配列が知られていた。現在も遺伝学の研究材料として用いられていそうです。
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(写真引用元:朝顔に彩られた、江戸の町 | バイオ歴史コース | みんなのバイオ学園

様々なアサガオ種子の入手方法

九州大学が様々な系統のアサガオの種子を提供しているそうです。
教育目的や、一般の趣味家の方にもわけてもらえるそうです。
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(画像:アサガオホームページ

アサガオの基礎研究に用いる生物資源を収集、保存・整備し、研究者に提供するNBRP(ナショナルバイオリソースプロジェクト)をしているそうですが、一般人にも種子を提供しているので私もいつか申し込んでみたいものです。*4


観光場所:入谷朝顔祭り(東京都入谷)

東京の入谷鬼子母神(いりやきしもじん)の境内とその付近の歩道で朝顔祭りが開催されます。
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(写真引用元:入谷朝顔まつり - Wikipedia




およそ12万鉢の朝顔が並べられます。江戸時代の後期から行われ始め、大正2年に一旦途絶えたそうです。昭和23年に地元有志により復活し、今年で70年目になるそうです。


市の期間中に入谷鬼子母神(真源寺)お参りすると朝顔の造花がついた子育お守りが貰えるそうです。
http://s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/static.kita-colle.com/ebs/service/public/event/df/07/7f/e0/e6/b1/b6/65/4a/d3/e4/37/92/ba/a0/a2/contents_1_imageurl.jpg
(写真引用元:恐れ入谷の鬼子母神、『入谷朝顔まつり』で夏を感じる! | キタコレ!




毎年、入谷朝顔祭りが行われ今年の開催期間は2018年7月6日(金)~7月8日(日)までだそうです。


小ぶりのものは800円、行灯(あんどん)仕立ては2000円で購入できるそうです。
午後には朝顔の花が萎んでしまいますので、花を楽しむには早起きしたほうが良さそうです。



まとめ

観賞用に夏に人気のあるアサガオの種子は下剤効果のある有毒植物です。奈良時代に生薬として種子が伝わりました。
7月は東京で入谷朝顔祭が行われ、およそ12万鉢の朝顔が並べられます。お時間のある方は、ぜひ訪れてください。


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参考

[薬用]  種子の粉末1回 0.2g服用して緩下薬とし、1回 0.5~1g服用して峻下薬として用いる。
[成分]  種子に樹脂配糖体のファルビチン約2%含み、その他脂肪油を約11%含む。ノアサガオは根に樹脂配糖体コンボルブリンを含む。
http://www.city.toyama.toyama.jp/etc/wakanyaku/d11/w11005.html

私ごとですが....
中津を去ってからちょうど一年が経ちます。
大分県中津市の大江医家資料館薬草園に似せた薬草園を作ろうとしていたのですが、だんだん逸れてしまい、今ではバラを育てることに夢中になっています。