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何か面白いことないかな

大分県中津市で見つけた歴史資料⑤『切断要法』(1868)

大分県中津市に仮住まいしていました。
蘭学関係の古文書が数多く置かれているので「中身はどのようなものか」と気になり、興味本位で調べています。



目次

大分県中津市ってどこ?

福岡県と大分県の県境です。蘭学の街なだけあって『解体新書』初版本をみることができます。
数年前は大河ドラマ黒田官兵衛」で賑わっていたそうです。
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『切断要法』って何?


名前の通り、四肢切断手術の方法が記された本です。「麻酔編」と「手術編」から構成されています。中津藩出身の外科医・軍医、田代基徳(1839〜1898)によって出版されました。近代医学の礎を築いた方です。出版された1868年(慶應4年)の1月に薩長軍の戦い(鳥羽・伏見の戦)があったようです。

切断手術というと、手塚治『ブラックジャック』のブラッククイーンによる手術シーンを思い出してしまいます。

ブラックジャック
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手塚治虫ブラックジャック』桑田このみ

『切断要法』の中身ってどんな感じ?

麻酔のクロロホルムの薬理と、切断手術の解説が載っています。
それでは、少し中身を覗いてみましょうか。

クロロホルム薬理
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説明、効用、年齢、用法等の説明がされています。

手術編の始まり
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動脈結紮(どうみゃくけっさつ)の説明から入るようです。
※動脈結紮とは...外科的処置の際に、身体の一部や医療機器を縛って固定する技術のこと
手術編の始まり部分の図です。
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切断の図
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画像:切断要法 / 愚魯周 [原著] ; 田代子栄 纂輯

なかなか強烈ですね....!!

漫画家の水木しげる氏も、戦争中の負傷で腕を切ることになりました。麻酔ありで手術受けれれば良かったのでしょうが…目医者さんによる麻酔無しの手術だったようです。

水木しげる自伝 腕負傷のシーン

(引用元:水木しげる自伝)

この後のページで、水木しげるは手術無しで切断手術を受けるのであった....

戦争に限らず、事故、そして圧倒的に糖尿病による壊疽の切断手術が多いようです。糖尿病には気をつけたいです。

『切断要法』の原書

1866年発刊のSamuel D.Gross, Bernard と Linhardの外科書

『切断要法』はどこで見れるの?

村上医科資料館で見ることができます。

まとめ

切断要法は薩長戦争の後、中津藩出身の外科医・軍医、田代基徳によって書かれた本です。麻酔薬クロロホルムを使い方や、部位別の切断方法が書かれています。故・漫画家水木しげる先生も、麻酔有りで手術受けれれば良かったのでしょうけど…戦争中は資材を揃えることもままなら無いので、思うように手術できないものです。現代では糖尿病の壊疽による切断手術が多いそうなので、糖尿病に気をつけたいものです。