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何か面白いことないかな

映画の話① 買い付け

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今年の山形国際ドキュメンタリー映画祭に、友人ボランティアスタッフとして参加する。撮影班が人手不足なのを察した友人は、公式記録撮影に参加することにしたそう。公式記録撮影は映画監督のインタビューをするそうで、友人は少し嬉しそうにしていた。
しかし、公式記録撮影スタッフの準備の話を聞くと少し大変そう。8月末の撮影講習会が開催され、それまでに試写を20本ほど見なければならないのだとか。9月になると試写が更に20本追加され、映画祭が始まるまでに50本近くを見なければならず、仕事が忙しい友人は準備が大変そうだった。
映画の試写も、去年まではDVDがボランティアスタッフのもとに送られてきていたのが、今年からは試写専用のサーバーにアクセスして見る方法に変わった。専用サーバーのせいか、動画も滑らかだと聞く。最近は映画の買い付けの際も、映画を見るのにwebからアクセスできるようになって簡単になってきたのだとか。


最近はお散歩日記しかつけていなかったので、たまには別の話を。
昨年、映画祭や買い付けの話を少し聞いてきたので、そのをメモ代わりに載せてみる。

映画祭の種類

映画祭は主に2種類に分けられる。
・コンペティションが有る(ベルリン国際映画祭など)
・コンペティションが無い(トロント国際映画祭など)

コンペがある場合、最優秀賞の名前がその土地のシンボルの名前にちなんでつけられる。例えば、ベルリン国際映画祭は"wild bear(金熊)賞"、ベネチア国際映画祭は"金獅子賞"、カンヌ国際映画祭は"パルムドール(ナツメヤシ)賞"など。

トロント映画祭は、コンペ形式ではない。その代わり門戸を広く、世界から多くの映画を上映するそう。インディペンデント系映画、新人監督作品など型破りな映画などを上映することが出来るそうで、映画を買い付けるためにバイヤーも集まる。

映画のセールスエージェント

映画が人に見られるまでの流れを簡単に説明する。


①映画の制作者:世界中の映画監督・プロデューサー等
   ↓
②セールスエージェント(販売代理店)
   ↓
③映画関連でビジネスする人:配給会社・販売会社(DVD販売権利、配給権利、etc.)
   ↓
④一般人:映画館やDVDなどで映画を見る。


世界中の映画を買い付けに行くのはとても大変。そこで映画監督やプロデューサーの代理人をしてくれるのがセールスエージェントさん。彼らが映画監督の代わりに映画を売ってくれる。
例えば有名な映画のセールスエージェントwild bunchさんのページ、まだ国内で公開されてない映画情報を見ることができる。「FILM」ページを見ると、世界中の人が分るように英語字幕がついた映画の予告編を見ることができる。また「Press kit」を押すとより配給会社が見るような詳しい情報をpdfでダウンロードして見ることができる。ただし、wild bunchさんは儲かる映画しか預からないそう。
映画を買い付ける際、映画を見ないとどのような作品か分らないからDVDを取り寄せて見たり、映画祭等で実際に映画を見たりしてから買い付ける。ただ最近はもっと簡単になったそうで、映画の情報がクラウド化され、インターネットを通じて映画の全編を見ることができる。例えばプロ用のサイトの一つ"Cinado"では、パスワードを持っててログインすることができれば、映画の全編をウェブ上から見られる。カンヌ国際映画祭に参加した人(映画祭に参加した会社名が登録されている)は、はパスワードがもらえ、それを使ってログインし、インターネットを通じて映画見て面白そうだったら買い付けの準備をするのだとか。

映画の買い付け〜上映に至るまで

これは某小さな映画配給会社の例だけど....

IMDbの最新作を見る。ここで"HOLY MOTER"が面白そう!
  ↓
②wild bunchesで"HOLY MOTERS"を見て、配給会社が見るのと同等な情報を手に入れる
(セールスエージェントをつけていない映画は、配給会社に言えばDVDを送ってもらえる。)
  ↓
③買い付け(上映権の交渉。映画館での上映期間や、DVDの販売権の期間交渉など)
  ↓
④広告宣伝の準備(試写・ポスター・チラシ等)
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⑤上映



映画は買い付けの準備から収益が出るまで1年近くと時間がかかる。その上、当たりハズレの差が大きく、赤字で終わることもある。あと売れるかどうか、予想がつきにくいのも難点。

松竹で働いていた知人が言うには「映画『おくりびと』も、当初はついでくらいに作ったら予想外に売れたんでびっくりした。映画は10本のうち1本ヒットしたらいいかな〜ぐらい。正直ギャンブルと同じ。」とのこと。

映画ビジネスは想像以上に大変なお仕事。