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何か面白いことないかな

映画技法のリテラシー〈1〉映像の法則

研究室に置いてあった本。

映画技法のリテラシー〈1〉映像の法則 ([1]映像の法則)

映画技法のリテラシー〈1〉映像の法則 ([1]映像の法則)

  • 作者: ルイスジアネッティ,Louis Giannetti,堤和子,堤龍一郎,増田珠子
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2003/11
  • メディア: 単行本
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一ページにつき一つ以上の映画が写真つきで紹介されており、紹介されている映画が洋画から邦画、年代の古いものから新しいものまでと幅広い(この映画入手できるものなの?と思わせるものも)。実際の映画製作に関わることはあまり書かれていなくて、作る側ではなく観る側としての視線で書かれているように感じた。

今まで知らなかった映画用語を覚えることができるのと様々な映画の存在を知ることができた。今の所カメラの動きとかフレームなどの技法についてそれほど興味が無かったため、ぱらぱらと簡単に読んでいった。本文にそれほど興味がなくても映画紹介が多いためにそこの部分だけでも十分楽しむことができた。

映画紹介の欄で「The Blair Witch Project(米 1990)」という映画の紹介に3万5000ドルの制作費だったにも関わらず収益は150万ドルも上げたとか、「Clerks( 米 1994)」を製作するのに27,575ドルという製作費用が低額だったという(監督はそれをつけで払ったらしい)これらの映画の紹介を見るとどんな映画だったのか観たくなってしまった。

この本を読んでいて自分が興味を持ったところが空間論的配置の説明がされているところ。空間論的配置の例の一つにチャップリンの映画が挙げていた。チャップリンが残した名言の一つに「ロングショットは喜劇に、クローズアップは悲劇に」というのがあるそうだが、それを表している例として「黄金時代(The Gold Rush 1925)」と「街の灯(City Lights 1931)」の二つのシーン。両シーンともチャーリーが畏敬している女性に拒絶されることを恐れていて、その部分の写真が載せられていた。「黄金時代」では離れたところから撮られており、その光景は転んだチャップリンが女性の前で必死に体裁を取り繕おうとしているように見える。それに対して「街の灯」ではチャップリンの表情がよくわかるくらいに近くで撮られていた。この表情は今までその滑稽で強烈なキャラクターにかき消されて気付くことの無かったものだったのだが、チャップリンは傷心の一人の男性の表情を浮かべていた。チャップリンの映画を観る機会が無かったからこれを機に観てみようかと思った。

自分は結構好きな本だった。